視覚障害(hearing impairment)とは

投稿者: | 2017年7月15日

視覚障害(hearing impairment)とは

視覚障害は,

視覚の伝達系(眼球・視神経・脳の一 部)異常と

解析系(後頭葉の視覚感覚野)異常の組み合わせで生じる.

何らかの原因によりこれらの視機能に障害があり,

回復が不可能または著しく困難であって,障害が永続的または長期にわたり続くことをいう.

 

原因

(1)先天的なもの:奇形,色素性網膜変性症,梅毒,風疹など

(2)周産期性のもの:未熟児網膜症,淋病,など

(3)後天的なもの:緑内障,糖尿病,網膜症,網膜色素変性症,

横班変性症,白内障,脳血管障害 外傷,ベーチェット病,トラコーマなど

症状

視覚障害は全く見えない「盲(全盲)」と,

視力 はあるが視覚による識別は困難な「弱視(ロービジョ ン)」に大別される.

(1)全盲

一般的な視力検査で測定不可能な0,01よりも低い視力の表し方には以下のようなものがある.

1指数弁…検査者が被検査者の眼の前に出した指の 数が数えられる(0.01と同じ視力とされる).

2手動弁…検査者が被検査者の眼の前で動かす手の 動きがわかる.

3光覚弁…光を感じられる.

4盲(全盲)…光も感じない.

 

(2)弱視

視力はあるが見るもののそばに近づかないと見えない.

両眼の矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズをかけた時の視力)が0.3未満で

主に視覚による学習や日常生活が可能な状態.

その他,視野がせまい,明るすぎると見えない,薄 暗いと見えない眼球がゆれるなどの症状もある.

 

 

口腔内の特徴

視覚障害のある人に形態異常などの特異的な口腔の 特徴はないただし,

視覚障害のため口腔内のプラー ク付着状況を確認したり,

歯磨きによる十分な歯面清 掃は困難である.歯磨き動作に対するイメージがしに くいため,

歯磨圧による模状欠損や歯肉退縮を引き起こす場合もある.

また,転倒や打撲が原因で,口腔・顔面部の外傷や歯の損傷を受けやすい.

 

診療における注意点

(1)対応上の注意点

視覚障害の患者からは,

「何をされるのかわからないので怖い」,

「説明がよくわからない」などの訴えを聞くことがある.

成人でも歯科治療に対して幼児期のような恐怖心があり,

過換気症候群に近い症状が出現することもある.

特に先天的な視覚障害の場合,歯科に関する知識や情報量が少ないため,

言葉による説明だけでは不明確 で実際に経験してみないとわからないこともあり,

その都度,確認が必要となる.

(2)歯科診療時における対処法

1環境整備

患者がつまずいて転倒しないように,入室前に診療 室の整備を行う.

2待合室

声の方向が判別できるよう挨拶や名前を呼ぶ時は,

患者に対面する位置で相手の顔を見てはっきりとわか りやすく話す.

言葉に加え‘手などの身体に触れてもらうことで人物を認識し安心する場合もある.

3移動

介助の必要性と介助方法について確認しておく.

a誘導方法

誘導者は患者の斜め前方に立つ.白杖がある場合は逆側に立つと邪魔にならない

視覚障害者は誘導者の後方から歩いていく方が安心であるため,

誘導者は半歩前に立ち,声かけを して視覚障害者の手を自分の肘に誘導する.

身長 差に応じて肩や手を握ってもらう方法もある.

b誘導時の配慮点

ユニットの位置や歩く方向をあらかじめ説明しておくと,イメージしてもらいやすい.

ドアや段差,方向を変える場合には一度停止し,ドアの開閉方向や段差の幅など,その状況を説明 する.

患者の動きを邪魔しないようにする.

4ユニットの移乗

ユニットに座る前に,患者の手をとりユニットに触れさせ,背板の位置などを確認してもらう.

背板を動かす際は,必ず声をかける.

5インフォームド・コンセント

視覚障害者は,治療内容をイメージすることが困難な場合があるため,

治療部位は,実際に口腔内で確認し,治療内容は分かりやすい言葉で患者の理解を得ながらすすめる.

そのため,診療時間はゆとりを持って設定するとよい.

6診療中

口腔内に器具を挿入する際は,事前説明をし,危険 な器具以外は,

極力触れてもらうと安心感が得られる.

また,視覚障害者は音により周囲の状況を判断することが多いため,

スタッフ同士の会話や不必要な音を出 さないように配慮する.

7口腔衛生指導

a.視覚障害の既往を把握する.過去の指導経験の有無やその内容を聞いておくと参考になる.

b.歯磨き指導の際は,手を添えて一緒に磨き,力加減や当て方を体験し,触覚や聴覚など視覚以外の

感覚を使う.

c.口腔内の把握には,大きめの顎模型や患者の口の中を実際に指で触れて確認してもらう.

 

その他

a眼鏡は診療時にもはずさないほうが良い方もいるため,患者に確認する必要がある.

b.盲導犬を連れている場合は,盲導犬にむやみに触れたり話しかけないようにする.

また, 患者に声かけする場合は盲導犬のいない側から声をかける.

 

 

目の不自由な人が持っている 「白い棒」とは

視覚障害者が持つ「白い棒」は「白杖(はくじよ う)」という.

視覚障害者にとって街中を歩く際の相棒として役立つ存在で,白杖には3つの大きな役割がある.

1自分が視覚障害者であることを周囲の人に知らせるための「表示」のような役割.

2路面の変化や進行方向など,道の状況を把握する.

3道にある段差など,障害物に対する安全確保の役割.

 

 

眼症状と口腔内症状がみられるベーチェット病

ベーチェット病は,

1口腔粘膜のアフタ性潰携。

2外陰部潰携,

3皮膚症状,

4眼症状

の4つの症 状を主症状とする慢性再発性の全身性炎性症疾患である.

検査は確立されておらず,臨床症状の組み合わせで診断されている.

ベーチェット病によっ てできる口腔粘膜のアフタ性潰痛は,粘膜症状だ けで鑑別することは困難である.口内炎を繰り返 すだけでなく,身体の他の部分にも症状が現れる場合は,

医科への対診が必要となる.

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