感染症のある方への対処法方

投稿者: | 2017年8月4日

感染症(HBV/HCV/結核/MRSA/HIV/AIDS)

歯科診療上問題となる主な感染症

すべての歯科医療機関は,患者の感染症の有無に関 わらず診療を行う義務があるそのため感染症や感染 対策に対する十分な知識が必要となる.

障害者歯科においては,合併症がある場合や抵抗力 が低下している患者が少なくない使用済み器具による二次感染予防,また医療従事者が院内感染拡大の媒体とならないような対策が必要である.

歯科診療上問題となる主な感染症について以下に示 す.歯科治療を行う際は,かかりつけ医への対診により,

現在の患者の病状や診療上の注意点などの医学的情報を十分に得たうえで対応することが重要である.

 

 

 

B型肝炎(Hepatitis B)

感染性

血液唾液,精液を介して感染.

針刺し事故後の発 症率は約30%

原因ウイルス

B型肝炎ウイルス(HBV).

臨床経過 多くは無症状で経過. 20~30%が急性肝炎を発症し,1~2%が劇症肝炎化する.

IFN (インターフニ ロン)製剤と核酸アナログ製剤により治療を行う. 日本におけるHIV保有キャリアは110~140万人程度と言われている.

歯科治療における注意点と対策

a.かかりつけ医に肝炎の病状を確認する.

発熱,全身倦怠感,食欲不振,黄恒などがみられる場 合は歯科治療を延期する.慢性肝炎患者の場合でも,血液検査で肝機能異常(AST. ALT値 の上昇)や止血機能異常,特に指標となるプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)の低下 などがある場合は応急処置にとどめ,病状の回 復を待ってから治療を行うことが望ましい.一般にPT- INR 3.0以下であれば,抜歯など観血的処置は可能であるが,埋伏歯や難抜歯 に関しては慎重に対応し,状態によっては高次医療機関を紹介する.

b.歯科治療に伴う抗菌薬の投与の際は,肝代謝の薬剤は極力避ける.また,血小板減少が見られ る場合,非ステロイド性消炎鎮痛薬の処方を避けたほうがよい.

c. HBV感染あるいは感染の疑いのある患者は,

d.標準予防策に加えて感染経路別予防策で対応す る. (P89参照)

HBs抗体を持つものには感染しないため,医 療従事者の感染予防はワクチン接種が有効であ る.

 

 

 

C型肝炎(Hepatitis C)

感染性

血液を介して感染.輸血後肝炎,’慢性肝炎の90%以上がC型肝炎といわれている.針刺し事故後の

発症率は1~2%前後.唾液,精液ではほぼ感染し ない.ワクチンはまだ開発されていない

原因ウイルス

C型肝炎ウイルス(HCV)

臨床経過 VC

感染後の慢性化率60~80%.治療は注射薬のIFN (インターフェロン)と経口薬のRVB (リバビリン)併用療法が主流であるが,

病気の活動度や進行状態によって方法や効果が異なる.日本におけるHCV保有者(キャリア)は. 190~230万人程度といわれている.

感染原因,経路が不明で,血液検査で肝機能異常が指摘されるまで感染に気づかない人も 多い.

歯科治療における注意点と対策

基本的にB型肝炎と同様の対応となる )S b.標準予防策に加えて感染経路別予防策で対応する.

 

 

 

結核

感染性

空気感染,飛沫感染.高齢者や免疫力が低下した人 が感染しやすい排菌(保菌者の活動性の結核菌が,咳や痰に混じって肺から体外に排出されること)して いる場合のみ感染性がある.

原因菌

抗酸菌属のMycobacterium tuberculosis.

 

臨床経過

長引く咳,全身倦怠感,発熱,血痕,体重減少,夜間の発汗が主な症状である.治療は入院下で6ヶ月 間化学療法を行う.

 

注意点と対策

aかかりつけ医への対診により,排菌の有無(感染性があるか)を評価することが必須となる.

排菌している場合は結核病棟への入院が法律により義務づけられている.

歯科治療は緊急性が ある場合のみとし,構造条件を満たす隔離室(1 陰仔空調26~12回/時の換気3フィルター 処理後に院外排気)のある歯科医療機関での対応となる.

b.排菌していない場合(結核が非活動性の場合)

は通常の歯科治療が可能である.

 

 

 

MRSA (メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) 感染症

感染性 接触感染.高齢者・寝たきり・免疫力が低下した人が感染しやすい.

 

原因菌

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 3臨床経過

ヒトや動物の皮闘,消化管内などの体表面に常在す る菌である.通常は無害であるが,外傷や手術の後ぢ どに,日和見感染によって化膿性炎,蜂宮炎・肺炎, 腹膜炎,敗血症など様々な重症感染症を起こす.ほかの黄色ブドウ球菌と比べて特に感染性が高いわけでは ないが,抗菌化学療法において各種抗菌薬に耐性があるため,治療が難しい.

 

注意点と対策

a.かかりつけ医への対診により,病状を確認する. 基本的には体調が回復してから歯科治療を行い,応急処置にとどめる.

b.最も注意が必要な感染経路は,医療従事者の手 指や不十分な滅菌,消毒器具を介した交差感染である.

c.通常の標準予防策に加えて感染経路別予防策て対応する.水洗による手洗いとアルコールベー スの手指消毒剤が有効である.

c.通常の標準予防策に加えて感染経路別予防策て対応する.水洗による手洗いとアルコールベー スの手指消毒剤が有効である.

(5) HIV・AIDS (後天‘性免疫不全症候群)

 

感染性

血液・精液を介して感染.

原因ウイルス

ヒト免疫不全ウイルス(HIV).

臨床経過 HIVに感染すると,数週後にインフルエンザのような急性期症状が出現し,その後消失して無症状キャ リアとなる. HIV感染者は,無治療の場合数年~10 年でAIDSを発症するが. HAART (多剤併用療法) によって発症を大幅に抑えられるようになっている.

今のところ完治はできないが,服薬治療により長期生 存が可能である. AIDSを発症すると,全身倦怠感, 発熱,下痢,体重減少などがみられるようになる.

 

注意点と対策

aかかりつけ医への対診により,直近のCD4陽 性Tリンパ球数,ウイルス量,内服薬,現在の 健康状態を確認することが必須である(CD4 陽性Tリンパ球とは,現在の体の免疫力を示す 指標である. HIVはこのリンパ球に感染し,破 壊して数を減らしてしまう).なお,歯科治療 可能な参考値は. CD4陽性Tリンパ球数が 200/ml以上,ウイルス数は検出限界以下(50 コピー/ml以下)であり,この値であれば安全 に治療が行える.

b. HIV感染による代表的な口腔症状は,口腔カン ジダ症,毛様白板症,アフタ’性口内炎,カポジ 肉腫,帯状歯肉紅斑壊死性潰傷性歯肉炎,歯周炎などである.

c. HIV感染患者は症状が変化するため,体調のよいときに積極的に治療を行い,口腔内の環境を整えておく.埋伏智歯の抜歯などは免疫能が保たれている時期に行っておくとよい

d.服薬治療をしている場合でも,歯周病が悪化するとウイルスが増え. AIDSの発症を早めることがわかってきている.細菌感染の機会を減らすために,口腔内のプラークコントロール,歯周病の管理は重要である.

e.易感染I性の場合が多いため,必要に応じて予防投薬を行う.

 

 

 

HIV・AIDS (後天‘性免疫不全症候群)

感染性

血液・精液を介して感染.

原因ウイルス

ヒト免疫不全ウイルス(HIV).

臨床経過

HIVに感染すると,数週後にインフルエンザのような急性期症状が出現し,その後消失して無症状キャ リアとなる. HIV感染者は,無治療の場合数年~10 年でAIDSを発症するが.

HAART (多剤併用療法) によって発症を大幅に抑えられるようになっている. 今のところ完治はできないが,服薬治療により長期生 存が可能である.

AIDSを発症すると,全身倦怠感, 発熱,下痢,体重減少などがみられるようになる.

 

歯科治療における注意点と対策

a.かかりつけ医への対診により,直近のCD4陽 性Tリンパ球数,ウイルス量,内服薬,現在の 健康状態を確認することが必須である(CD4 陽性Tリンパ球とは,現在の体の免疫力を示す 指標である. HIVはこのリンパ球に感染し,破 壊して数を減らしてしまう).なお,歯科治療 可能な参考値は. CD4陽性Tリンパ球数が 200/ml以上,ウイルス数は検出限界以下(50 コピー/ml以下)であり,この値であれば安全 に治療が行える.

b. HIV感染による代表的な口腔症状は,口腔カン ジダ症,毛様白板症,アフタ’性口内炎,カポジ 肉腫,帯状歯肉紅斑‘壊死性潰傷性歯肉炎,歯周炎などである.

c. HIV感染患者は症状が変化するため,体調のよいときに積極的に治療を行い,口腔内の環境を 整えておく.埋伏智歯の抜歯などは免疫能が保 たれている時期に行っておくとよい

d.服薬治療をしている場合でも,歯周病が悪化す るとウイルスが増え. AIDSの発症を早めるこ とがわかってきている.細菌感染の機会を減ら すために,口腔内のプラークコントロール,歯周病の管理は重要である.

e.易感染I性の場合が多いため,必要に応じて予防投薬を行う.

 

 

 

 

 

 

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